2010-2016

埼玉に拠点を移してからの作品。引き続き身近にあるモノを対象として描いているが、魚介類は入手が難しくなり、新たに出会った紫陽花をー集真藍シリーズーとして多く描いた。またアトリエが狭くなった事や、東京で出会った小品でも力強い作品に触れ、大きな作品を描く必要性が自身の中で薄れた為に、作品自体もより小品が中心となっていった。ただその分、小さな作品の中にどれだけの密度を込められるか、どこまで画面に深みを持たせられるか、小さくても大きな空間を満たせるような、その様な意識で制作をおこなっていった。またこの時期の後半には、日本画の制作では一般的に重要視されている「写生」というものと、自身の制作との間にズレを感じ初め、「写生と作品」との関わりをより考察するようになった。